SDL Trados Studio 2021がリリースされました。
ここしばらく、毎回あまり変わり映えのしない(少なくともエンドユーザーから見ると)バージョンアップが続いてきましたが、今回はおそらく、Studioアーキテクチャになって最大の変化があります。
翻訳支援ツール界隈で最近人気の
クラウド版
の登場です。Studio 2021を購入すると使えるようになる(ただし、無償で使えるのは1年間だけらしい)SDL Trados Liveというのがそれです。
(https://www.sdltrados.com/jp/products/trados-studio/freelance/)
11月に開催されたJTF Online Weeks(翻訳祭29.5)のスポンサーセッションでも紹介されましたし、先週開催されたオンラインロードショーでも説明があったので、重い腰を上げて使ってみました。
細かい手順は省きますが、SDLアカウント(製品を購入していれば持っているはずの、いつものアカウントです)を使ってSDL Trados Live Essential にログインします(チーム作業のときはSDL Trados Live Teamにログインするらしい)。
そこから先、プロジェクトを作って翻訳作業に入るという手順は、今までのデスクトップ版と大差ありません。
- プロジェクト(入れもの)を作成する
- 翻訳対象ファイルを指定する
- 翻訳メモリーを指定または作成する
- 用語集を指定または作成する
- 必要に応じて各種設定を調整する
という流れです。デスクトップ版に慣れていれば、すぐ使えます(インターフェースでちょっとした注意点はあり)。
オンラインツールとしての操作性も、先発のMemsourceなどと遜色ありません。というより、ショートカットなども含めてデスクトップ版と共通点が多いので、Tradosに慣れているなら、このクラウド版も労せず使えるでしょう。
見た目も、デスクトップ版とよく似ています。
おもしろいのは、[表示]タブに[水平]と[垂直]のオプションがあること。これ、長年のリクエストだった
原文と訳文の縦並び表示
が、クラウド版でようやく実装されたというわけなのでした。
この[水平]と[垂直]については、次の記事でちょっと書こうと思います。