# Weblioを使う方へ -- "訳語"の選び方

辞書は "用語集" ではありません。

辞書を見て、ただ何となく、あるいは自分で "しっくりくる" という理由で "訳語"を選んでいるうちは、辞書をきちんと活用しているとは言えません。

これは、Weblioさんを引く場合でも同じです。というより、Weblioのような辞書ポータルを使う場合は特にそうでしょう。

たとえば、今後の見通しについて書かれている文脈bleakという単語が出てきたとしましょう(これだけではコンテキスト情報が十分とは言えないかもしれませんが)。Weblioさんでbleakを引いてみます。いえ、最近はもう、いちいちWeblioのサイトを開かなくても、ググるだけで上位の候補にWeblioが出てくるんでしたね。

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# ブロッコリー

唐突なタイトルですが、まあ、お読みください^^

翻訳学校の秋季授業が10月から始まり(すべてオンライン)、以前このブログでも取り上げた宮脇孝雄『英和翻訳基本辞典』を、初回の授業でも紹介しました。

英和翻訳基本辞典

英和翻訳基本辞典

  • 作者:宮脇 孝雄
  • 発売日: 2012/12/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

それもあって、 同じ著者の『翻訳の基本』を再読していたら、こんな記述がありました。 

翻訳の基本

翻訳の基本

  • 作者:宮脇孝雄
  • 発売日: 2012/04/01
  • メディア: Kindle版
 
たとえば,『リーダーズ 英和辞典』(第1版)で,broccoliを引いてみると,「大きく て丈夫なカリフラワー」と出ていたのだが,これもまた謎のような定義である.

え? リーダーズの第1版が出た頃(1984年)、ブロッコリーってそんな解説が必要なほど知られてなかった? と疑問に思ったのが、この記事のきっかけです。

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# 翻訳業界調査、ご協力ください

日本翻訳連盟(JTF)が、数年に一度の「翻訳業界調査」を実施しています。

www.jtf.jp

翻訳業界の関係者(個人翻訳者、翻訳会社の方、発注側企業の方、その他)であれば
JTF会員・非会員を問わず
ご回答いただけます。

回答期限は11月13日(金)。

そして、ご回答いただいた方には、もれなく調査結果を進呈します。

翻訳に関する需要と予算(人間による翻訳も機械翻訳も含めて)は分かっておらず、推定もほぼ不可能と言える。企業からも行政機関からも、翻訳の予算について情報が出てくることはほぼないからである。そのうえ、翻訳者の多くは自営業なので、市場が1つにまとまっていない。およそ100億~1,000億ドル(約1.5兆円から11兆円[T1])という数字が随所で取り沙汰されているが、この数字も信頼性には乏しい。

上に引用したのは、9月末に出た拙訳書『機械翻訳:歴史・技術・産業』、第14章からの一節です。

機械翻訳:歴史・技術・産業

機械翻訳:歴史・技術・産業

 

ここに書かれているのは世界的な市場の話ですが、事情は日本国内でもまったく変わりません。JTFが数年に一度行っている業界調査は、そういう曖昧模糊とした「翻訳業界」について、唯一の資料です。

業界全体の景況はどうなのか、最近はどんな分野の発注が多いのか、そして翻訳者の収入ってどのくらいなのか……など、最新のデータがこの調査でそろい、ご回答くださった方には、そのデータがお手元に届きます

特に今回は、コロナ禍による影響についても質目が追加されています。私たちが置かれている環境と現状を把握するために、貴重な資料となるはずです。ひとりでも多くの方にご協力いただければ、その資料の有用性はそれだけ高くなります。

回答はフォーム入力だけで済みます。

ぜひご協力ください!

# 辞書引きのハートマンモデルを知ろう!

西練馬さんが、note でこんな記事を公開なさっています。

note.com

今さら言うことでもありませんが、西練馬さんや ながさわさんたち、自称「辞書マニア」のみなさんの辞書に関する造詣には本当に圧倒されます。

この記事をお書きになったきっかけは、『博士と狂人』の映画公開と、それにまつわるトーク番組の内容なのですが、そこから辞書(というか辞書引き)に関する見事な論考を展開なさっています(「辞書マニア」というのはもちろん謙遜の名称であって、私たち素人から見ると、本当に辞書のプロなんだなあと思います)。

そして、翻訳者(と翻訳学習中の方)に必読なのは、特にこの記事の「ハートマン・モデルから辞書アシスタントを考える」以降です。

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# サン・フレアさんで1年ぶりのセミナー

(URL貼ってなかったので、修正・追加しました)

告知がすっかり遅れてしまったのがもうひとつ。

サン・フレア アカデミーさんで、ほぼ1年ぶりにマーケティング翻訳のセミナーを担当します。

www.sunflare.com

11/7(土)、午後1時から5時の4時間コースです。前回に続くPart2ですが、Part1の受講は必須ではありません。

  • 過去問からみたTQEの傾向
  • TQEで気をつけたいポイント
  • マーケティング翻訳のキモ
  • 辞書の読み方、辞書にない言葉の調べ方

などを取り上げます。

1年前の同講座は、もちろんまだ四谷三丁目のリアル教室で開催し、おかげさまで定員いっぱいの満員御礼でした。今回はオンラインということで、定員も少し増えています。

「マーケティング」と銘打ってはいますが、できるだけ広範囲の翻訳に共通する話をしたいなあと思っています。

というのも、「マーケティング翻訳」という看板で飛び込んでくる案件は実に

多様化

しているからです。内容の点からも、また形式の面でも、ここまでやっておけば大丈夫という枠がなくなってきました。私自身、最近はもう何屋さんだかわからなくなるときがあります

オンラインで4時間、かなりの長丁場ですが、盛りだくさんの内容でお届けします!

# JTF Online Weeks(翻訳祭29.5)

告知がすっかり遅れてしまいましたが、日本翻訳連盟(JTF)の翻訳祭、今年はこんな状況なのでオンライン開催となりました。

「翻訳祭」としては中止し、代替のオンラインイベントを開催するという形で、名前も

JTF Online Weeks

とし、副題が(翻訳祭29.5)となっています^^;

www.jtf.jp

こちらの告知が遅かったので、申し込みは始まっています。

というか、10/26(月)までです。

  • 100円からはじめる 翻訳初心者のための辞書環境構築入門
    (中部大学・関山健治氏)
  • 契約書翻訳の基礎ポイント オンラインレッスン~さらなる進化のための原点回帰~
    (有限会社ジェックス・飯泉恵美子氏)
  • ポストエディットと翻訳の未来
    (関西大学・山田 優氏)
  • 医療翻訳・医療通訳に求められる臨床英語のスキル
    (国際医療福祉大学・押味貴之氏)
  • 翻訳力の基礎 – プロが紹介する翻訳スキルの学び方
    (松丸さとみ氏、駒宮俊友氏)
  • 紆余曲折がありました~私のこれまでと今、そしてこれから
    (夏目大氏)
  • 砂ぼこり舞う荒野から密林へ~日系二世語学兵の苦悩
    (日本翻訳者協会・丸岡 英明)
  • 翻訳コーディネーターが語る「手放したくない翻訳者」
    (翻訳センター・松村 友紀子、アスカコーポレーション・前川華子、アビリティ・インタービジネス・ソリューションズ・塩﨑理恵)
  • 大学における翻訳通訳リテラシー教育
    (立教大学・武田 珂代子)

など、リアルでは実現しなかった、オンラインならではのコンテンツがたくさんあります。

また、オンラインということで参加費もかなりお得なはず。

ぜひご視聴ください!

# LogoVista辞書ブラウザーは最新バージョンに

【大前提の追記】

以下の内容は、すべてWindows版ベースです。Mac版はいろいろと事情が違うようです。

LogoVista辞書の仕様変更に伴って今後はどうするか、という先日の記事baldhatter.hatenablog.com

こちらにコメントをいただきました。

  • 全文検索の結果は100件ずつ表示される。変更方法は?
  • 結果の表示順序は変更できる?

というご質問だったのですが、私のPCで確認したところ、そういう動作にはなりませんでした。

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『メリアム・ウェブスター』で economy を検索したところです。全288件。これは、Logophile/EBWin4上の全文検索結果と同じ数です。

また、リストの表示も、ご覧のように aftermath → agrarian → ail …… という順序になっていて、Logophile/EBWin4 のリストと同じです。

もしかしたら、ソフトウェアのバージョン違いかもしれません。
LogoVistaをインストールしたものの、
あんまり使っていない

という方は、[ヘルプ]メニューの[バージョン情報]を確認したうえで、[最新アップデートの確認]を選択してみてください。

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[利用中のバージョン]が[最新のバージョン]より古い場合は、[更新方法]の列に[サポートページからダウンロードする]というリンク先URLが表示されます。

「LogoVista電子辞典ブラウザ」本体だけでなく、辞書データもけっこう頻繁に更新されているので、その意味でもときどきチェックしたほうがよさそうです(表示の不具合などが修正されています)。

念のため、LogoVista電子辞典ブラウザ本体のアップデータはここにあります。

LogoVista辞典ブラウザ 最新アップデータ

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本日の時点で、最新バージョンは「355」と書かれているのですが、この表記がちょっとややこしい。[ヘルプ]から確認すると

f:id:yasagure88:20201005115009j:plain
このように表示されます。常識的には、Ver. 4.0.xx のところが公式バージョン、カッコ内は内部バージョンだと思うのですが、アップデータはこの内部バージョンで示されているようです。

こういうところも、ちょっと不親切なんだなぁ。