# 柳父章『翻訳語成立事情』

翻訳フォーラム・シンポジウム2026で「参考資料」に挙げた本をもう少し詳しく紹介するシリーズ、第2弾をお届けします。

翻訳について真剣に考えるのであれば、柳父章の一連の著作を避けて通ることはできません(個人の意見ですが、賛同してくださる方は多いはず)。自身も翻訳家であり、数々の優れた日本語論・翻訳論を遺している偉大な先人のひとりです。

シンポジウムの資料にこの『翻訳語成立事情』を載せたのは、岩波新書で手軽に読める、いわば柳父章入門書だからです。

続きを読む

# ファミコン言葉……?……!

こちらメニューになります

のような言い方を、「ファミレス言葉」となんとなく呼んでいましたが、どうやら「ファミコン言葉」とも言うらしいというのを、先ほどの授業中に知りました。

Wikipedia日本語版には、「バイト敬語」として立項されています。

ja.wikipedia.org

マニュアル敬語とも呼ばれる。(中略)コンビニ敬語、ファミレス敬語、ファミコン言葉(「ファミ」レス・「コン」ビニ)などと呼称されている。

ここにも「ファミコン言葉」という言い方は登場していますが、わたしが知ったのは、授業中にGoogle検索で表示された「AI概要」欄でした。

続きを読む

# 柳瀬尚紀『辞書はジョイスフル』

先日開催された「翻訳フォーラム・シンポジウム2026」、引き続きアーカイブでご覧いただけます。配信は7/26(日)までですので、ご注意ください。

さて、わたしが担当した午後のパート終盤では、

辞書が"楽しく"なる参考図書・参考サイト

をご紹介しました。紹介すると、自分でもついつい再読を始めてしまいます。そのなかから何冊かを紹介していこうと思いつきました。

続きを読む

# ひいては ―「それ」って何を指してるの?

ひいては」という語を調べはじめて、国語辞典の語釈について疑問がわきました。

いくつか例をあげると、こんな感じです。

それがもとになって、その結果。さらには。【明鏡三】
それが発端となって、同類の他のものにまで広く及ぶ様子。【新明国八】
それがきっかけとなって、別のものに及ぶようす。その結果。ひいて。【新選十】

(赤字は引用者。以下同)

気になったのは「それ」という指示語。こういう語釈のとき「それ」って何を指してるんでしょうか? いや、何となくはわかるんですが――「前に述べられている内容」くらいのことでしょう――、どの辞書も判を押したように「それ」で始まっている。こういう例がいまだにあると、やはり "暮しの手帖事件" を思い出さざるをえません。

続きを読む

# enshit(t)ification

定例トライアル〈IT・テクニカル〉6月号課題の答案をただいま採点中です。

結果発表(9月号)まで終わり、解説講座(現在は録画配信の形式)が公開されるころには、またいろいろと補足をここでも書く予定です(講評で書ききれないポイントはいつもたくさんありますが、今回は特に多そうです)。

今日は、ひとつだけ先行して、今回の課題文に出てきた

enshit(t)ification

という単語を取り上げます。実にタイミングのいいことに、この6月には Oxford English Dictionary にも追加されました。 

  • 綴りについて
  • 意味(英英辞典)
  • 由来と出現時期
  • 訳語(英和辞典)
続きを読む

# 辞書に関する記憶の空白

何度か告知していた「翻訳フォーラム・シンポジウム2026」が無事に終わりました。

今年は、午後の部が二人ずつのクロストークだったので、朝10時から夕方5時まで、休憩時間を除くとほとんど空き時間がなく、久しぶりにヘトヘトになっています。

ご参加くださった皆さん、ご視聴ありがとうございました。

これからアーカイブ視聴する方、どうぞお楽しみに(本日、アーカイブ視聴についてのご連絡を差し上げています)。

そして、ゲストコーナーにいらっしゃってくださった石原健志先生、ネットアドバンスの堀野修平さん、最後までありがとうございました!

昨日最後のディスカッションでは、初めて使った辞書とか、翻訳をはじめたころに使っていた辞書の話が出ました。また、わたしは自分のコーナーでこんなスライドもお見せしました。


(クリックで拡大します)

そう、自分が辞書を使ってきた歴史に、まったく記憶が欠けている時期があるのです。上の図では具体的な年代を書いていませんが、どうも1990年代と2000年代前半の一部抜けているようです。

その辺をちょっと振り返ってみました。

続きを読む

# "辞書で○○○"

今週末(6/28)の本番に向けて、

翻訳フォーラム・シンポジウム2026

のリハーサルというか最終打ち合わせがありました。

お申し込みは、本日の23:00までです!

いつも思うのですが、翻訳関連のイベントって、実は準備段階がとてもおもしろいんですよ。いつものメンバーで打ち合わせをしていると、「あ、いまのその話を本番でそのまま出せれば」と言いたくなるような話が次々と出てくる。もしかしたら、それが楽しくていろいろなイベントに顔を出しているのかもしれません。

申し込み〆切前に、もうひとつだけ書いておきます。

続きを読む