# 辞書の引き比べで見えてくること

いよいよ、来週に迫ってきました。「比べて極める辞書の世界」

すでにかなりの数のお申し込みがあり、本人も鋭意、資料作成中です。

 

ところで、辞書を比べるという話なら、国語辞典に限られますが、こちらの本も楽しく読めて、たいへん参考になります。

この本の第一章には、

国語辞書は「引き比べてなんぼ」である

と書かれています。

来週のイベントで私がお伝えしたいのも、実はまさにこの点です。違うのは、範囲が英語の辞典(英和、英英)にまで広がるところ。

「引き比べてなんぼ」の実例は当日いろいろお話ししますが、私がつい最近遭遇した事例を少しだけ紹介しておこうと思います。

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# 辞書を引き比べるってどういうこと?

1つ前の記事で紹介したイベント

比べて極める辞書の世界 (翻訳フォーラム・おうちでレッスンプラス第1弾)

までちょうど1か月となりました。おかげさまで多くの方にお申し込みいただいておりますが、この辺で、

辞書を引き比べる

って、そもそも何が楽しいのか、もとい翻訳者にとってどんな役に立つのか、ということをもう少しだけ詳しく説明しておこうと思います。

  • いろいろな「引き比べ」
    • 語義の分類/語釈の違いを比べる
    • 時間に伴う変化を比べる
    • 語義の分類/訳語の違いを比べる
  • ひとつの単語の語義・語釈を表で整理してみる
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# 12/18、翻訳フォーラムで辞書トーク

翻訳フォーラムが主催する次のイベントが決まりました。

題して、「比べて極める辞書の世界」

辞書部屋チャンネル見坊行徳さん稲川智樹さんという素晴らしいゲストもお招きして、4時間たっぷり、ディープな辞書の話をします。

プログラムは以下のとおり。
第1部(高橋聡)
 I. 辞書の基本 最新情報
 II. 引き比べて知る辞書の個性
 III.視聴者代表とライブ辞書引き実演~こんなときは、何を引く?

第2部(ゲスト&高橋聡&深井裕美子)
 IV. 出張「辞書部屋チャンネル」
 V. Q&A

お申し込みは、こちらから。

師走の日曜日という、ただでさえ慌ただしい時期ですが、アーカイブ配信もあります!

ということで、私がいま考えている話の概要を簡単に書いておきます。

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# 物書堂アプリに「全文検索」がない話

あちこちで物書堂の辞書アプリをおすすめしている私、ひとつお詫びしなければいけないことがあります。それは、

物書堂アプリには全文検索の機能がない

という事実をちゃんとお伝えしていなかったことです。

もっと早く気づくべきでしたが、以下のような経緯で、遅ればせながら気づいた次第。今後は必ず言及するようにしますが、とりあえず、日本海溝より深くお詫びいたします。

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# 31回翻訳祭、無事修了

 

9/30「翻訳の日」に開催した基調講演を皮切りに、10/4~18の2週間にわたってオンラインでお送りした今年のJTF翻訳祭も、ひとまず無事に終了しました。ご登壇くださった皆さん、ご視聴いただいた皆さん、多方面にわたりご協力をたまわり、ありがとうございました。

無事に終わったというだけでなく、Twitterなどでの同業者の反応を見ている限り、今年の翻訳祭は個人翻訳者の間でけっこう盛り上がっていたようです。

盛り上がった要因は複数ありますが、特に大きかったのは、SNSで一定以上のプレゼンスをもつ方々が数多くご登壇くださったおかげで、当日のプログラムとSNS上の評判とがうまいシナジー効果を生んだことだったと感じています。

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#『使える! 用字用語辞典』の物書堂版が出た!

2年ほど前、旧ブログでこちらを紹介しました。

参考記事:禿頭帽子屋の独語妄言 side A: #『マスコミ用語担当者がつくった 使える! 用字用語辞典』

 

『共同通信社 記者ハンドブック』などのように、お客さんに指定されることはまずないので、使用頻度は高くありませんが、商標かどうかを調べたりするときには便利です。

なんと、これが物書堂に入りました。いわゆる辞書とは違うので、なかなか意表を突いた展開です。

www.monokakido.jp

もちろん、一般の辞書と同じようにも使えるのですが、「付録」が充実しています。

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# セイコーインスツル、サービス完全終了

セイコーインスツル(SII)さんのサイトで告知が出たようなので(関山先生の投稿で知りました)、こちらでも紹介しておきます。

電子辞書修理および部品販売(充電池など)終了のお知らせ
電子辞書製品の修理は一部機種のみ継続をしておりましたが修理部材の関係により22年10月14日を持ちまして修理及び部品の販売を終了させていただく予定です。長い間SII電子辞書をご愛顧いただきまして心より感謝申し上げます。

(太字は引用者)

2015年3月末にSIIが電子辞書事業から撤退したあとも、ファームウェアのアップデートや、電池交換・修理などのサービスは細々と続いていたわけですが、上の日付からはいよいよ、それも受けられなくなるという告知です。

翻訳者の希望の星だったPASORAMAも、いよいよ終焉のときが近づいているのかもしれません。

「まだだ!まだ終わらんよ!」

という声も聞こえてきそうですが、備えはしておきたいところです。以下の記事などが参考になるかもしれません。

baldhatter.hatenablog.com

ついでに、いい機会なのでPASORAMA登場あたりからの経緯を簡単に振り返ってみました。随所で、過去記事も紹介しています(こうしてみると、長く続けているブログって、我ながら貴重な記録になっているものです)。

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