9/30「翻訳の日」に開催した基調講演を皮切りに、10/4~18の2週間にわたってオンラインでお送りした今年のJTF翻訳祭も、ひとまず無事に終了しました。ご登壇くださった皆さん、ご視聴いただいた皆さん、多方面にわたりご協力をたまわり、ありがとうございました。
無事に終わったというだけでなく、Twitterなどでの同業者の反応を見ている限り、今年の翻訳祭は個人翻訳者の間でけっこう盛り上がっていたようです。
盛り上がった要因は複数ありますが、特に大きかったのは、SNSで一定以上のプレゼンスをもつ方々が数多くご登壇くださったおかげで、当日のプログラムとSNS上の評判とがうまいシナジー効果を生んだことだったと感じています。
今年の翻訳祭は
当世翻訳通訳事情~普遍的な変化と不変的な価値~
というテーマを掲げており、それにふさわしく翻訳史に関わる素晴らしいセッションも2つありました。
・高橋さきのさん
「知っておきたい翻訳史――江戸時代から今日まで」
・大島明秀さん
「近世日本のオランダ語翻訳事情」
です。お申し込み済みで未視聴の方はぜひアーカイブでご覧ください。
※アーカイブ視聴は11/30までです。
一方、同業者の間では、翻訳者のビジネス感覚とかキャリア形成をテーマとして取り上げたセッションに特に注目が集まっていました。
・2022プログラム委員
「翻訳業界における様々なキャリア ~JTF翻訳祭2022プログラム委員の場合~」
・宮原健さん
「ビジネスプランは十人十色 ~ 自分らしい翻訳"事業"を考える
・酒井秀介さん、松本佳月さん、齊藤貴昭さん
「この3人だから話せる!第2弾 激変する翻訳環境に振り回されないために知っておくべきこと」
・井上望さん、朱宮令奈さん、庄野彰さん
モデレーター:舟津由美子さん
「翻訳者のキャリアとライフステージ ―翻訳者のリアル―」
昨今の業界事情を考えると、翻訳者のキャリアということに大きな関心が集まるのは当然ですし、プログラム選定の結果としてこういうセッションが多くなったのも、プログラム委員の間でそういう問題意識が高かったことの表れでしょう。おかげさまで、翻訳学習者から現役翻訳者まで、広い層にアピールするコンテンツがそろいました。
そしてもうひとつ、ありがたいことに「ミニ講演会」も盛り上がりました。2017年の翻訳祭で試みたのと同じアイデアを、今回も私が提案してみたのですが、うまくいったようで何よりです。私が存じ上げているだけでも、上村魁さん、川月現大さん、河野弘毅さん、五野上良さん、杉山範雄さん、豊田憲子さん、宮田昭二さん、目次由美子さんがご登壇くださり、10分ずつながら密度の濃いコンテンツを提供してくださりました。
こうしたプログラムにご登壇くださった皆さんが、自分たちのセッションについても、また他のセッション視聴中にも、ハッシュタグ #jtf31fes を付けて
かなりの数のツイートを投稿
してくださっていました。それが、今年の盛り上がりの最大の要因です。何重にもお礼を言わずにはいられません。
実際に盛り上がった証拠は、開催中も10/18まで続いた申込数に顕著に表れています。具体的な数字の発表はまだ許可されていないので控えますが、翻訳祭が始まってからの申込者数は、記録的でした。アーカイブ視聴可という形式の効果もありますが、やはり個人翻訳者のSNSであれだけ話題にしてくださったのは本当に大きかったのでした。
ということで、今年の翻訳祭は注目のプログラムが山盛りです。繰り返しますが、お申し込み済みで未視聴の方はぜひアーカイブでご覧ください。
※アーカイブ視聴は11/30までです。