# ATOKの「ブンコレ」 ― 行儀の悪いショートカットの話

最新版のATOKに、「ブンコレ」という機能が追加されています。

atok.com

謳い文句は「よく使う定型文を簡単に収集、簡単に利用できる!」。

「定型文」というから、「平素よりたいへんお世話になっております」とか「ご査収、ご確認のほどよろしくお願いいたします」みたいによく使うフレーズのことかと思ったら、それだけではなくテンプレートを丸々登録できるようです。

が、これのデフォルトのショートカット設定が無礼でした。最初はその設定に気づかず、ふつうにキーボードを打っているとふと出てくることがあって、調べてみたら、

Ctrl+C の二度押し

でした。

個人的なクセかもしれませんけど、Ctrl+C の二度押しって、うっかりやっちゃうこともあるし、最近キーボードでCのキーがやや鈍いので、なかば意図的に押すこともあります。

よく見たら、右上に歯車アイコンがあって、ここでショートカットを変更/無効化できることが分かりました。

こんな風に、ふつうに使用頻度の高いキーやキーコンビネーションを独自の機能に割り当てるのって、ソフトウェアの設計としてとても

行儀が悪い

と思っています。

しばらく前までは、翻訳支援ツール memoQ の Ctrl キーに悩まされていました。

翻訳支援ツールの世界には、用語はいろいろですが「固定要素」とか「認識済みトークン」と呼ばれている概念があります。原文の中にあるタグとか数字とか頭字語のように、翻訳不要で訳文中でもそのまま使える文字列のことです。

それを訳文中に挿入する機能には、たいていショートカットが割り当てられていますが、memoQ のデフォルトではそれが Ctrl キーに割り当てられています。

Ctrl キーって、いろんなショートカットで併用される修飾キー*1じゃないですか。それを単独で押しただけでこの機能がはたらいてしまうって、かなり

行儀が悪い

と個人的には思っていました。特に、どんなアプリケーション上でも私はAHKを動かしていて、そのトリガーの修飾キーとして Ctrl キーは多用しているので、それが memoQ上ではすべて使えなくなってしまいます。

幸い、これも設定で回避することができましたが、それを見つけるまでにずいぶん時間がかかりました。

ここではなく、[翻訳]タブ →[翻訳設定][予測タイピングと自動選択][自動選択]タブにある、[自動選択を有効化]という項目でした。

どうやってこの項目を見つけられたのか、きっかけも経緯も忘れましたが、Facebook の投稿をさかのぼってみたら、2020年の秋に質問していて、どこからも回答はなくね2022年の7月に自己解決してました。

*1:ショートカットで、キーの組み合わせに使う Ctrl とか Alt のこと。詳細はこちら