2015年に出た(まだ)新しい辞書なのですが、今まで自分では持っておらず、したがって紹介もしたことがありませんでした。このたびようやく購入し、自分のこれまでの不明を恥じております。
言うまでもなく、日本語のコロケーション辞典として定評のある『てにをは辞典』(2010年)の姉妹書です。
『てにをは連想表現辞典』が出たとき、『てにをは辞典』の評価はすでに確立していたので、「~連想表現」が出たときも当然ながら話題にはなりました。私も当時から書店で手に取る機会はあったのですが、お恥ずかしいことに、そのくらいでは「連想表現」がいったいどんな辞書なのか理解が及ばず、何となく手が出ていなかったのです。
ただ、みっともない言い訳をさせていただくと、これってタイトルで損しているのでは、とも思います。
『てにをは連想表現辞典』というからには『てにをは辞典』の関連辞書だろう、と誰でも想像します。そして、「てにをは」がコロケーション辞典だったのだから、じゃ「てにをは連想表現」というのは、コロケーション辞典に何か連想とか表現とかの要素が加わったもの? と思うじゃないですか。でも、だったらその「連想」とか「表現」の要素ってどんなことなのか、そこがどうもはっきりしなかった。
その類推が大きな間違いでした。『てにをは連想表現辞典』は、分類するなら
類語辞典
です。
「連想」というのは類語グループの広がりのこと。そこに「てにをは」つまりコロケーションの要素を加えた用例が並べてあり、そこから「表現をさがす」ために作られた辞書だということが、こうしてちゃんと手元に置いてみて初めて分かったのでした。
つまり、類語辞典でありながら、おそらく類書のない unique な存在。そこをもっとアピールして売ってもいいんじゃないでしょうか^^;
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