# ジャパンナレッジで凡例を見る

辞書の序文(前書き、はしがき……)と凡例といえば、紙の辞書なら必ず巻頭にあって、まさに辞書の顔とも言うべき存在でした。それが、電子化されてからはすっかり目立たない存在に、それどころか場合によっては存在すら消されてしまうような扱いになっています。

でも、辞書の個性を知るためにも本当は序文を読んだほうがいいし、凡例にしても、通読しないまでも、必要なときに参照できなければ困ります。そこで、過去の辞書セミナーでは、各種の辞書環境で序文や凡例を見る方法を説明したこともありました。

簡単に書いておくと、

  • LogophileEBWin4なら、検索方法を「メニュー」に切り替える。序文やコンテンツが収録されていれぱ「メニュー」の中にある。存在するかどうかはコンテンツ次第。
  • LogoVistaブラウザーでは「ヘルプ」→「凡例」を選択。
  • 電子辞書端末は、カシオ製品なら「シフト」を押して「ガイド」。SII製品なら辞書ごとのトップページで画面下から上にスワイプ。
  • 物書堂アプリは「付録」から。

です。

では、ジャパンナレッジに収録されているコンテンツは? というのが今回のお題です。

まず、ジャパンナレッジ・パーソナルのトップページに行きます。japanknowledge.comページ最上部に
コンテンツ|登録情報の確認と変更|使い方/サポート
というリンクがあるので、「コンテンツ」に進みます。

ジャパンナレッジPersonal コンテンツ一覧 | ジャパンナレッジ

見て分かるとおり、収録コンテンツの紹介ページです。実は、以下に紹介する内容はログインしなくても、つまりJK会員じゃなくても見られるようになっています。

ページの最初に
カテゴリ : 開く | 閉じる
というリンクがあって、デフォルトはぜんぶ開いた状態です(たぶん)。「閉じる」をクリックすると、折りたたまれてカテゴリ一覧が見られます。f:id:yasagure88:20211204134150p:plain

「+」アイコンをクリックすると、各カテゴリーが開きます。たとえば「英語」のカテゴリーはこんなラインアップ(一部です)。f:id:yasagure88:20211204134350p:plain

「パーソナル+R」コース限定のコンテンツには
f:id:yasagure88:20211204134912p:plain
というオレンジ色のマークが付いています。うんのさんは+Rコンテンツです。

上のスクリーンショットのすぐ下に、私がよく参照している『小学館 プログレッシブ ビジネス英語辞典』があるので(これも+R)、これを例に確認してみます。f:id:yasagure88:20211204134719p:plain
序文っぽい文章ですが、これは本来の序文ではなく、ジャパンナレッジがコンテンツ情報として独自に載せているものです。「コンテンツ情報」から下には、書籍版の発行年、JKでの公開日、収録項目数、総文字数などが載っています。これは大切。

ただし、本来の序文(この辞書の場合「はしがき」)は収録されていません。これはたいへん残念。

凡例を見るには、ページ右上の三本線アイコン(ハンバーガーメニューf:id:yasagure88:20211204135633p:plainをクリックしてメニューを開き、「凡例」を選択します。凡例は書籍版と同じ内容です(って、結局、書籍版も買ってるわけとですが^^)。

ただし、項目ごとにページが変えてあるので、ちょっと一覧性がよくありません。さっきのハンバーガーメニューをもう一度開くと、さっきはなかったのですが、凡例が展開されて「凡例目次」になっています。知りたい情報はここから探したほうが早そうです。

コンテンツによっては、序文などまで収録されていることもあります。たとえば、つい最近入ったコンテンツ『角川類語新辞典』には、

f:id:yasagure88:20211204140133p:plain

このように「序」と「発刊に関して」も載っていました。

さらに、「凡例」のなかの「検索」を見てみると、JK版に即して作られたと思われる、JK専用の使い方まで載っています。

f:id:yasagure88:20211204140406p:plain

ただ書籍コンテンツを電子化して終わりではなく、こういうところまで作り込んであるところは、さすがです。


ところで、今回この記事を書くきっかけになったのは、『角川類語新辞典』で「半減」という語を調べたのがきっかけでした。

ためしに、皆さんのお手元にある国語辞典で「半減」を調べてみてください。どれも似たり寄ったりだと思います。私が手元で見たなかでは、

半分ほどに減ること。「興味が―する」

という『角川必携国語辞典』の語釈が唯一、わずかに光っていました。

――という話をFacebookに書いたら、さっそく『角川類語新辞典』のことを教えてくださった方がいらっしゃったのでした。

【半減】 はんげん
収入が半減する[負担が半減する・興味が半減する] ●半分に減ること。目立って減ること《日常語》

「目立って減る」! これですよね。けっして「半分になる」だけじゃないと思うのです。