私ら、一定年齢以上の現役翻訳者は、だいたい手元に辞書環境がそろっている。今から振り返ると、たいへん恵まれていると言えるだろう。
もし、自分がまだ辞書をひとつも持っていなかっとしたら?
まあ、翻訳の世界に入ろうという以上、そういう仮定はあまり意味がないかもしれないが、とりあえずそういうことにしてみる。
現時点で考えられる方法をつらつらと考えてみた。
●PASORAMA対応端末
できるだけ上位の機種を探して買う(9003シリーズか、10001)。今のOSに接続して使えればめっけもの。接続できないとしても、必要最低限をとりあえず引ける環境は確保できる。
●LogoVista辞書
インターフェースが使いにくいという欠点はあるものの、内容に問題があるわけではないので、ぶつくさ言わずにここでそろえる。
- 研究社 新英和大 第6版
- 研究社 新和英大 第5版
- 研究社 リーダーズ英和 第3版+プラス
- 研究社 新編 英和活用大
- 大修館 ジーニアス英和大
- 大修館 ジーニアス英和5版
- 研究社 新英和 第7版
- 岩波 広辞苑 第七版
- 三省堂 大辞林 第四版
- 岩波 岩波国語辞典 第七版
- 三省堂 新明解国語辞典 第七版
- 大修館 明鏡国語辞典 第二版
までを確保できる。
●DONGRI
LogoVistaにないもので、DONGRIに採用されているものがあれば、こちらを使う。インターフェースもよくなったし(参考:# DONGRIのインターフェースが新しく - 禿頭帽子屋の独語妄言 side α)。
- ウィズダム英和 第4版
- コンパスローズ英和
- 明鏡国語辞典 第三版
- 現代国語例解辞典 第五版
- 旺文社国語辞典 第十一版
などがそろう。ほかにはない貴重なタイトルが多い。
●物書堂
ここまでそろえると、どうしても物書堂というタイトルは少なくなる。が、それでもまだこれだけある。
- ランダムハウス英和大辞典 第2版
- 精選版 日本国語大辞典
- デジタル大辞泉(プラスの一部を収録したバージョン)
- 三省堂国語辞典 第七版
- 角川 類語新辞典
- Oxford Learner's Thesaurus
- COBUILD Advanced Leaner's Dictionary 9th
- Oxford Advanced Learner's Dictioanry 10th
オンライン以外でランダムハウスを入手できるのは、もはやこれだけになった。また、英英は無料のンライン版を使うということでかまわないが、無料サービスはいつ突然なくなっても不思議ではないということを考えると、手元にもあるに越したことはない。
●EPWING
数は少ないが、ジェダイマスター大久保さんが作ってくださったタイトルなども含めれば、まだ以下のような資料が使える。
- ビジネス技術実用英語大辞典V6(うんのさん)
- Wordnet 3.1
- 青空WING
- EPWING for the classics(聖書、シェイクスピアなど)
●書籍辞書
もう、紙の辞書を敬遠するのはやめよう。
- ウィズダム 第4版
- 小学館 日本語新辞典
- 三省堂 例解 新国語辞典 第十版
- 角川 基礎日本語辞典
- 三省堂 てにをは辞典
- 三省堂 明解類語辞典
- 小学館 使い方の分かる類語例解辞典
ウィズダムは、DONGRIでも使える。が、ここは三省堂さんを応援する意味で書籍版を購入し、デュアルディクショナリーも使えるようにしておきたい。
小学館の『日本語新辞典』は、実は絶版。だが、もし中古などで買えるなら絶対にほしい。
お気づきのように、ここまででKODもジャパンナレッジも登場していない。もし、以上をすべてそろえられれば、これらのオンラインサービスは使わなくてもいいことになる。
オンラインから先にそろえるという手もあるのだが、有料サービスだとしても、メンテナンスも含めて使いないタイミングがある。そういうとき、運悪く納期が迫っていたら……と考えると、やはりオンラインが先、という考えに実は私はあまり傾かない。
もちろん、そんなケースはレアなので、公式にはオンラインからそろえるという形を推奨している。ここに書いたのは、あくまでも個人的な好みの問題。
そのうえで、あえてオンラインを付け加えるとしたら―
●オンライン辞書(無料の英英サイトは除く)
- KOD
- ジャパンナレッジ
- Oxford Englisn Dictionary(OED)
あれ、結局KOD? うん。だって、追加データがあるから^^;
ジャパンナレッジ? そう。辞書だけではなく、事典類を考えるとやはり魅力は大きい。
OED? これは要る。どんなに高くても。