# Vox Populi

いつの間にかもう師走ですね。しわっす!*1

さて、「朝日新聞の英語版なら、天声人語が無料で読める」とFacebookで書いている方がいらっしゃったので、さっそく見にいってみました。

www.asahi.com

タイトルの冒頭に VOX POPULI と付いています。ためしに、天声人語セクションのトップを見ると、

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すべての記事に付いています。

ご存じかの方も多いと思いますが、Vox Pouli は "voice of the people" という意味のラテン語です。これについて「あれっ?」と思ったという話を書こうとしています。

"voice of the people" ということは、「天声人語」の「人語」に当たります。じゃ、「天声」はどこ行っちゃったの?

そう、私も「天声人語」の英訳は
Vox Pouli, Vox Dei
だと記憶していたのです。つまり、"voice of the people, voice of the God" の意味。これなら、文字どおり「人の言葉、神の言葉」になって、つまり「天声人語」の訳になるんですよね。

そう思って冒頭の記事(図書館についての)をもう一度よく見たら、ちゃんとありました。

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小さい文字で Vox Pouli, Vox Dei is a daily colomn ... と解説が付いています。また、記事の末尾にも紹介文が付いています。

Vox Populi, Vox Dei is a popular daily column that takes up a wide range of topics, including culture, arts and social trends and developments. Written by veteran Asahi Shimbun writers, the column provides useful perspectives on and insights into contemporary Japan and its culture.

だとしたら、記事タイトルはなんで VOX POPULI だけなんでしょうね。単に長いから? それとも、時流を考えて「人語」だけにしている? ちょっと不思議です。どなたか、こうなった経緯をご存じでしたら、ぜひご一報ください。


ところで、「天声人語」の英訳が "Vox Populi, Vox Dei" だというのを私がたまたま知っていたのも、英語の恩師のおかげでした。恩師のことは、ときどき書いていますが、こんな授業をやってくれた方です。

baldhatter.txt-nifty.com

このときの記事では書きませんでしたが、恩師が使ったいろいろな教材のなかには、英字新聞の抜粋もあって、そのとき"Vox Populi, Vox Dei" についても説明がありました。これがラテン語であること、vox は voice の意味で vocal などの語源でもある、populi は people で popular などにもつながる、dei は God の意味で英語なら deity という単語に入っている…… そういう話を、中学生か高校生だった私に向けてまったく容赦なく解説してくださったので、特に強く記憶に残っています。