# おすすめ本『「接続詞」の技術』(石黒圭)

この本が出てから、授業などではことあるごとにおすすめしてきたのに、旧ブログでもこちらでもまだ紹介していませんでした。

石黒圭氏のこれです。

「接続詞」の技術

「接続詞」の技術

  • 作者:石黒 圭
  • 発売日: 2016/07/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
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# きかんしゃトーマスの英語版

先週から今週にかけて、フェロー・アカデミーの春季コース(中級2クラスと上級1クラス)が始まりました。

今日始まったクラスで、ある単語をきっかけに「きかんしゃトーマス」の話を持ち出した方がいらっしゃったので、思い出すまま、その話を書いてみようと思います。

『きかんしゃトーマス』。

お子さんがいてもいなくても、名前くらいはご存じですよね。大井川鉄道を走っている「きかんしゃトーマス号も有名です。

わが家でも、1990年生まれの長男がちょうど対象年齢ぴったりで、2~4歳の頃は長男自身も私もけっこうなファンでした。

トーマス関連の玩具もたくさん買いましたが、原作本もひととおり読んでいます。

……30年前はもっと安かったはず……。

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# 類語にも強い国語辞典、ほか

前回の記事の末尾に、「類語辞典ではなく国語辞典でも類語は調べられます」と書きました。今回はその話です。

類語に関して最強の国語辞典(当社比)は、これです。

小学館日本語新辞典

小学館日本語新辞典

  • 発売日: 2004/11/02
  • メディア: 単行本
 

ただし、残念ながら絶版のようで、中古は定価の1.5倍以上になっています(4/20現在)。入手しにくい本を紹介するのはやや気が引けるのですが、もし気になったら、中古で値が下がるタイミングを狙ってみてください^^; あるいは、版元にどんどん問い合わせしたら、再版してくれるかもしれません!

これ以外に今回ご紹介する辞書は、普通に手に入るはずです。

現代国語例解辞典〔第5版〕

現代国語例解辞典〔第5版〕

  • 発売日: 2016/11/15
  • メディア: 単行本
 

そして、

ちがいがわかる 類語使い分け辞典

ちがいがわかる 類語使い分け辞典

  • 作者:松井 栄一
  • 発売日: 2008/04/19
  • メディア: 単行本
 

です。

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# 日本語の類語辞典のお話

(2021/04/20加筆)

ご存じのように、日本語の「類語辞典」にはいくつか種類があります。専門用語はあるのかもしれませんが、以下、帽子屋流に勝手に3つに分類してみました。

  1. 列挙式。説明なしに、類語や関連をただ羅列するタイプ
  2. 説明式。語句の細かい意味・用法を説明し、違いを示すタイプ
  3. 詳細説明式。語感、語法、違いを2. よりさらに細かく説明するタイプ

1. に該当するのが(以下、順序には特に意味なし)、

  • 大修館『日本語シソーラス 類語検索辞典』
  • 東京堂出版『逆引き同類語辞典』
  • 三省堂『現代語古語 類語辞典』
  • バリューネットワークス『デジタル類語辞典』

などです。2. の代表が、

  • 小学館『使い方の分かる類語例解辞典』
  • 講談社『類語辞典』
  • 角川『類語新辞典』
  • 三省堂『類語新辞典』
  • 三省堂『新明解類語辞典』
  • 三省堂『文章表現のための 類語類句辞典』
  • 研究社『類義語使い分け辞典』

など。そして3.に当たる(と帽子屋が勝手に分類した)タイプとして

  • 岩波『日本語 語感の辞典』
  • 東京堂出版『表現類語辞典』
  • 東京堂出版『日本語の類義表現辞典』
  • 三省堂『類語ニュアンス辞典』

などがあります。

それぞれ、私がよく使っている辞書を中心に、簡単にまとめてみました。

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# イベント告知その2 - 5/16

続いてのイベント告知は、皆さまお待ちかねの
翻訳フォーラム・シンポジウム2021
です!

5/16(日)10:00~17:00

passmarket.yahoo.co.jp

昨年はコロナ禍でやむなく中止となりましたが、今年はオンラインイベントとして復活します(通算8回目)。

何度かの休憩は挟みつつも、午前中から夕方までぶっ通しですので、リアルで開催していた一昨年までと同様、終わる頃には
脳味噌が心地よい麻痺状態
という、あの感覚を味わっていただけるはずです。

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# イベント告知その1 - 4/27

近日予定のイベントについての告知、その1です。

4/27(火)14:00~16:00f:id:yasagure88:20210410194457j:plainhttps://www.jtf.jp/learn/seminar/124

日本翻訳連盟(JTF)は今年で創立40周年を迎えます。

そこで、秋に予定されている翻訳祭(オンライン開催)とは別に、40周年記念としてのイベントをいくつか開催することになりました。

その第1弾が、機械翻訳について考えるこちらのイベントです。

登壇は、東京大学の中澤敏明先生と私。

中澤先生は、昨年出た私の訳書

機械翻訳:歴史・技術・産業

機械翻訳:歴史・技術・産業

 

こちらで、機械翻訳の最新情報に関する解説を執筆してくださいました。また、2019年の翻訳祭でも、機械翻訳に関するセッションをひとつ担当してくださっています。

第1部「訳書を通じて個人翻訳者が考えた機械翻訳」

を私が担当し、

第2部「機械翻訳の現状と課題、可能性」

を中澤先生が担当したうえで、

第3部として、二人でパネルディスカッションを展開します。

機械翻訳に対するスタンスは、個人翻訳のなかでもさまざまです。私は、機械翻訳を全面的に否定する立場ではありませんが、手放しで積極的に導入するつもりもありません。その私からは、『機械翻訳:歴史・技術・産業』を訳しながら考えたことを中心に、個人翻訳者がこれから機械翻訳にどう向き合っていけばいいのか、その手がかり――「答え」は出ないでしょう――を少しでも多く示せればと考えています。

一方、中澤先生は、第2部のタイトルどおり、研究者として機械翻訳の現状と課題を誰よりもよくご存じです。私たち翻訳者にとっても貴重な知見を提供してくれるはずです。

これまでも、翻訳祭をはじめいろいろな場で機械翻訳に関するセッションはありましたが、研究者と個人翻訳者が一緒に登壇した前例はあまりなかったかと思います。

どうぞ、お楽しみに!

なお、このセッションにお申し込みいただくと、拙訳書『機械翻訳:歴史・技術・産業』を割引購入できます。

# 『ジーニアス英和大辞典』をEBWin4で使うときの注意

フェロー・アカデミーでは、私のオンライン辞書講座が、引き続き年に3回くらいのペースで公開されています。

  • 翻訳者のための辞書セミナー ~選び方と読み方を見直してワンランク上の翻訳を!~
  • 翻訳者のための辞書セミナー ~なぜ英英辞典を引くのか?~
  • 翻訳者のための辞書セミナー ~辞書引きから訳文作りの実践へ~

という全3回構成ですが、単独でもご覧いただけるように構成してあります。ただし、全3回セットを順繰りに公開しているので、最近のサイクルで言うと、1番目は終了、2番目が申し込み締め切り、これから申し込めるのは3番目です(3/15申し込み開始)。

www.fellow-academy.com

ご受講くださった方は1回だけ質問もできるようになっているのですが、先日

EPWING版『ジーニアス英和大辞典』をうまくEBWin4(辞書ソフト)で使えない

という質問をいただきました。その質問がごもっともな内容だったので、回答をこちらでも書いておこうと思います。

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