ちょっと別の記事が続きましたが、そろそろこちらも再開しましょう。全253ページのうち前回が189ページからだったので、もうすぐ終わりです。
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「虎○門、霞○関、丸の内の○は?」(p.192~)より
中でも超高層ビルの代名詞として知られる「霞が関ビル」は1968年に完成しました。たたずまいも大変美しいのですが、私にとっては格別な思い入れかある名称です。
この仕事を始めた1980年代前半、ビールの年間消費量などを表す時、体積の比較単位として「霞が関ビル○杯分」という表現がよく使われていました。
まず、最初のツッコミ。霞が関ビルって、今でも超高層ビルの代名詞に使われます? そういうコンテキストで使われているのは、最近あんまり聞かない気がしますが……
上の引用にあるとおり、霞が関ビルの開業は1968年、私が小学生の低学年だったころです。たぶん、あれは開業して間もなくだったんではないかと思いますが、かなり上層階にレストランがあったはずで――今はもう低層階にしかないみたい――そこに行った記憶があります。覚えているのは、すぐそばに東京タワーが見えたこと、それから、そのレストランではジャズのバンドが生演奏していて、そのすぐ近くで演奏を聴いていたことです。特に、ドラムの演奏に見入っていたらしく、なかでもドラムブラシが印象的でした。
霞が関ビルは36階建てで、開業早々に『37階の男』というドラマがありました。私が好きだった中丸忠雄が主演。といっても、放送時間帯は21:30~だったそうなので、たぶん小学校高学年になってから再放送で見ていたんでしょう。この話、かなり以前にも記事を書いてました。
ところで、『校閲至極』に書かれている趣旨は、固有名詞表記の面倒くささということ。
- 「霞ケ関」と書くと駅の名前(東京メトロ日比谷線、または東武東上線)*1
- 「霞が関」と書くと上記のビルの名前または地名(千代田区)
- 「虎ノ門」と書くと「虎ノ門ヒルズ」という駅名(東京メトロ日比谷線)、または「虎ノ門ヒルズ森タワー」などの施設名、または地名
- 「虎の門」と書くとのは「虎の門病院」
などと使い分けがあるので注意しましょう、という話です。こういう使い分けも、『記者ハンドブック』にちゃんと載っています。
さらに、ATOKのプラグインを入れておけば、
こんな風に注釈を示してくれて、とても便利です。
*1:小さい「ヶ」ではなく普通サイズの「ケ」が正しいようです。