『校閲至極』日記 の検索結果:
昨年の10から今年の2月まで、毎日新聞出版社の『校閲至極』をネタに全12回の記事を書きました。 baldhatter.hatenablog.com こういうネタ本がひとつあると、記事を続けていくのに便利です。先日また格好のネタを見つけました。 死ぬまで使わない日本語 (フォレスト2545新書) 作者:杉岡 幸徳 フォレスト出版 Amazon 同じ筆者のこちらの本も、まずまず楽しい本です。 奇妙な四字熟語 (ポプラ新書 254) 作者:杉岡 幸徳 ポプラ社 Amazon 「死ぬ…
…から続けてきたこの「『校閲至極』日記」も、きりのいい12回の今回で最終回です。 ■ 「検算し常識と照らし合わす」(p.237~)より 単に誤字・脱字を直す「校正」と、当たり前のように計算し矛盾点を突く「校閲」の違いに強い関心を持たれたように感じました。 矛盾点を突く、というわけではありませんが、翻訳者も、原文に出てくる数字とか計算式は自分で確認しますよね? ごくまれに、原文での計算が違っているということもありますが、それ以上に、計算してみたほうが、そこに書かれていることについ…
なんか、今日あたりからだいぶ暖かくなるみたいですね。先週の金曜日、東京国立博物館からそのまま足をのばして、旧岩崎邸庭園から湯島天神まで回ってみましたが、梅がだいぶ咲いてました。 【初稿で「足を伸ばして」と書いていた誤字をご報告いただきました。ありがとうございます】 ■ 「たかが記号? されど記号」(p.228~)より 今のパソコンは「ーー」は勝手に「――」に変換してくれますから、この間違いは減りました。 たぶんMicrosoft Wordの機能を指してるんだと思いますが、何の…
昨日(2/11)は、ほぼ40年ぶりの『ストップ・メイキング・センス』 gaga.ne.jp と、ドリパスで上映が成立した『グリッドマンユニバース』を観られて、とてもいい日でした^^ ■ 「名前の間違いはメジャーな方へ」(p.196~)より 皆さんは名前を間違えられたことがありますか? 知っている方は知っていると思いますが、私の本名はラストネームがごくありふれた高橋で、ファーストネームも、これまたよくある「あきら」です。ただし、漢字は聡と書くので、これはかなりレアのようです。私…
ちょっと別の記事が続きましたが、そろそろこちらも再開しましょう。全253ページのうち前回が189ページからだったので、もうすぐ終わりです。 ■ 「虎○門、霞○関、丸の内の○は?」(p.192~)より 中でも超高層ビルの代名詞として知られる「霞が関ビル」は1968年に完成しました。たたずまいも大変美しいのですが、私にとっては格別な思い入れかある名称です。 この仕事を始めた1980年代前半、ビールの年間消費量などを表す時、体積の比較単位として「霞が関ビル○杯分」という表現がよく使…
安心してください、続いてますよw こんな風に読書日記をたらたら続けるのは、自分の読書日記も兼ねられるので、なかなかいい感じです。 さて、今回は「濁るか濁らないか」がテーマです。 ■ 「折口、柳田……清音の地域性」(p.186~)より 一般に固有名詞は東日本では連濁、西日本では連濁回避の傾向があると聞く。 固有名詞、とりわけ人名に関して「西日本の方は濁らない」傾向があるというのは知っていました。「須賀」と書いて「すか」さん、みたいな例です。『校閲至極』で例に出ているのは、折口信…
前回の「その6」を書いたのは、翻訳祭のオンラインプログラム開始前日でしたが、全日程が昨日で終了しました。そして、本日からはプログラムのアーカイブ配信も始まります。チケット販売は終了しましたが、チケットをご購入になった方は、引き続きアーカイブをゆっくりご視聴ください。 ■ 「えっ通じない? 新潟方言の数々」(p.174~)より また、「大洋紙」という言葉。これも新潟固有の言い方だそうで、一般的に「模造紙」と呼ばれる紙のことです。(中略)この模造紙、地方によってさまざまな呼び方が…
…om ということで、『校閲至極』日記その6です。 ■ 「ろくろを「ひく」挿絵を見て納得」(p.152~)より 現代の私たちが知っている「ろくろ(轆轤)」はたいてい陶芸用で、「回す」ものだと思っていますが、実は木工用の「ろくろ」もあって、昔はそれを人間が「引い」て回していました。そういう説明に続いて、こう書かれています。 『広辞苑』の挿絵を見てみてほしい。傍らで遊ぶ幼児をあやしながら、職人さんが懸命にろくろを引っ張っている。 国語辞典の挿絵の話です。これはおもしろいネタになるに…
いよいよ、JTF翻訳祭が明後日に迫りました。 ということであまり時間がないので、5回目ですがネタはひとつだけ。 ■ 「コロナ「差別」に言葉であらがう」(p.136~)より 同様の例に、「感染が発覚した」という表現がある。「発覚」は「隠していた悪事・陰謀などが明るみに出ること」(『大辞泉』)。近年は単に「判明した」意味で使われることも増えたが、(後略) え。ええっ! 単に「判明した」の意味で使うの、「発覚」を? 私はまだ見たことも聞いたこともない気がするなぁ。
ネタにしている本も軽いノリなので、記事も気楽に続けられるようです。 ■ 「「コンビ二」に立ち止まれ」(p.82~)より [パソコンの]学習能力によっては「コンビ二」と出る。「コンビ」と「二」を分けて変換してしまうのだ。 カタカナ語の一部にカタカナ以外の文字が混入してしまうケース。これは訳文をチェックしていてもわりと頻繁に見かける「あるある」ですね。 なかでも、ここで書かれている漢字の「二」は代表的ですが、私がよく見るのは、長音記号がダッシュやハイフンになっているケースです。 …
その3まで来ました。これで終わったら、まさに三日坊主。 ■ 「広辞苑に載った「エロい」に興奮」(p.76~)より しかしまさか『広辞苑』で「エロい」が見出し語になるなんて! 2018年発売の第7版で初めて入ったのを発見し、年がいもなく興奮しました。 それにしても、やっぱり新聞の校閲者さんって「広辞苑に拠る」んですね~。 この言葉、ほかの辞書ではどうなっているでしょうか。手元でぱっと確認できる限りで「エロい」が立項されている国語辞典は、 広辞苑七 大辞林四、大辞林三 デジタル大…
昨日始めたシリーズ、その2です。 昨日は「気になったところメモ」と書きましたが、そうとは限らず、単に連想したもろもろのことなども書き綴っています。
毎日新聞出版から8月に出たこの本。 校閲至極 作者:毎日新聞校閲センター 毎日新聞出版 Amazon 構えて読むような内容ではなく、食事するときとか仕事の休憩時間とかに読むのにちょうどいい。これを、いつものように付箋付けながら読んでいるわけですが、ときどき疑問点などもあって(私の読書術で、オレンジ色の付箋が付くレベル)、それを書きとめてみることにしました。『校閲至極』を校閲しよう……というほど僭越なものではなく、単に気になったところメモです。 「その1」と書きましたが、「その…