電子辞書端末で圧倒的なシェアを誇っていたカシオが、ついに新機種の開発を止めるというニュースが飛び込んできました。
日本の新聞はしばらくたつと記事がなくなってしまうことがあるので、すいませんが、長めに引用しておきます。
カシオ計算機は14日、電子辞書の新規開発をやめると発表した。近年はスマートフォンの普及に加え、学校でパソコンやタブレット端末を使うことが多く、需要が急激に減っているという。
カシオは1981年、同社としては初の電子辞書を発売。「EX-word(エクスワード)」のブランドで知られる。調査会社のBCN総研によると、2024年の国内の電子辞書販売台数の約8割をカシオが占めたが、他のメーカーを合わせた総販売台数は19年と比べて7割減少したという。
わたしたち翻訳者にとっては、かつてセイコーインスツルが撤退したときのほうがショックは大きかった思いますが、
(このあと、その2、その3まであります)
世間一般には、やはりカシオですよね。
中部大学の関山健治先生が、この2月に出た新機種がかなり使いにくくなったと、Facebookで何度か嘆いていらっしゃいました(大きいところで、辞書選択ボタンがなくなったとか)。
カシオの技術陣がどう判断したのかはわかりませんが、「辞書の使い方」をちゃんとわかっていなかったという要因はあったのかもしれません。
ともあれ、メインターゲットである教育市場の需要が大きく変わった以上、メーカーとして開発中止という判断になるのは、まあ当然でしょう。
紙の辞書は、
まだ終わらんよ
と言っていいと思いますが、電子辞書端末はこのまま消えてしまうのでしょうか……。技術の進歩に伴う当然の変化のひとつなのでしょうが、辞書の世界でひとつ大きな存在が消えるようで、寂しくはありますね。