ひとつ前の記事に書いたように、動詞 gaslight の語義が、ジャパンナレッジ版(JK)の『ビジネス技術実用英語大辞典』には載っていました。
vt.〈人〉に対してガスライティングを仕掛ける,〈人〉に対して(本人の記憶/知覚/認識/正気を疑うように仕向けることで)心理的虐待をする, 〈人〉を(偽りの情報などで)だます[思い込ませる] < with > (*戯曲『Gaslight ガス燈』より. ガスライティングは, 被害者に誤った情報を与えて混乱や疑念をおこさせる)【うんの-JK】
「うんのさん」をデータでお持ちの方は、お手元の辞書で gaslight を引いてみてください。載っていないはずです。こんなことがあったので、「うんのさんV6」の発売以降の更新履歴をまとめてみました。
うんのさんの公式ページはこちらです。
- ●2018年5月―待望のV6が登場
- ●2018年11月―ジャパンナレッジに収録
- ●2019年6月―うんのさん、V6.02を公開
- ●2020年5月―JK収録データ更新
- ●2024年4月―JK収録データ更新
●2018年5月―待望のV6が登場
公式ページに書かれているとおり、現行バージョンつまりV6は2018年5月18日に発売されました。当時、旧ブログで記事にしています。
ちなみに、ひとつ前のバージョンV5のリリースは2010年でした。このときは、深井裕美子さんの主導で、海野ご夫妻をお招きして記念パーティーも開きました。
●2018年11月―ジャパンナレッジに収録
同じ2018年の秋、ジャパンナレッジのパーソナル+Rコースに「うんのさん」が収録されました。

ちなみに、辞典の新規追加や収録データの更新履歴については、検索ページにある「お知らせ」欄の「お知らせ一覧」から確認できます。

うかつなことに、このときのことは自分のブログでお知らせしていませんでした^^;
なお、次に書くように、この翌年に「うんのさん」のマイナーバージョンがあるのですが、JK版のほうは、収録の時点ですでに新しいデータ(V6.0.2)になっていたはずです(当時そう聞いたと記憶しています)。
●2019年6月―うんのさん、V6.02を公開
翌年の6月には、「うんのさんV6」がマイナーバージョンされてV6.0.2となりました。
公式ページやAmazonでいまも購入できるデータは、こちらのV6.0.2になっています。つまり、私たちが手元で引ける「うんのさん」は、この時点のデータということになります。
●2020年5月―JK収録データ更新
翌年5月、JK版データが初めて更新されます。いわば、V6.0.2.1です(もちろん、非公式の呼称)。

このときは私もブログで記事にしました(禿頭帽子屋の独語妄言 side A: # ジャパンナレッジ収録の「うんのさん」がアップデート!)。OEDなどと違って、ジャパンナレッジでは追加された単語が公開されないので詳細はわかりませんが、
microbead
shrinkflation
retronym
未上場
集中治療
などの項目が追加されたと、海野ご夫妻からうかがいました。
●2024年4月―JK収録データ更新
今年の4月には、さらにJK版データが更新されました。V6.0.2.2です。

このときも、海野ご夫妻から一部だけ教えていただきました(なのに、ブログに書けてませんでした!)。
この回は用例の追加がメインだったそうで、step、primary、service、individualize、whoreなどに用例が追加されたそうです。ん? whore とは、この辞書としては珍しい項目なのでは? と思ったら、こんな用例です。
how to deal with male attention whores
周囲の気を引こうとする男性[かまってちゃん男]のあしらい方
「かまってちゃん」!
さすが「うんのさん」です。一方、見出しの追加は
dynamic pricing
gaslight
こうえいか【公営化】
しめかためる【締め固める, 締固める】
などだと教えていただきました。ん? あれ? あぁぁぁーーー!
gaslight 入ってるじゃん!
なんといううかつ、ウカツ、迂闊。すっかり忘れてました……
ということで、「うんのさん」の更新履歴をたどったら、自分の迂闊さを再確認してしまうというオチがつきました。