告知がだいぶ遅くなりましたが、申し込みは始まったばかりなので、まあいいでしょう。
日本翻訳連盟(JTF)が開催するイベント「翻訳祭」は、今年も全面オンラインで開催されます。
開催期間は10/4(火)~10/18(火)、
アーカイブ閲覧は約1か月後の11/30(水)までです。
また、これに先立って、翻訳の日である9/30(金)18時からは基調講演もあります。
講演者は、李琴峰さん。台湾生まれの翻訳者として活躍しつつ、第二言語である日本語で小説も書き、第165回芥川賞を受賞なさったという方です。
しかも、こちらの基調講演だけなら、視聴は無料です(ただし、お申し込みは必要)。こちらは、翻訳通訳関係者だけでなく、ぜひ多くの方にご視聴いただきたいと思っています。
さて、今年の翻訳祭は、「当世翻訳通訳事情」というテーマにふさわしく、今の翻訳通訳業界を俯瞰しつつ、翻訳の歴史にも目を向ける内容になっています。たとえば―
- 近世日本のオランダ語翻訳事情
:熊本県立大学文学部教授 大島明秀さん - 知っておきたい翻訳史―江戸時代から今日まで
:翻訳者、お茶の水女子大学非常勤講師 高橋さきのさん
この辺が、テーマに沿って歴史を振り返る内容です。グローバル化と機械翻訳の波を受け、翻訳通訳業界はもちろんのこと、それ以上に「日本語を取り巻く環境そのもの」がいま大きく変わろうとしています。そんないま、翻訳通訳をめぐる歴史を振り返ることには大きな意味があるはずと、私も確信しています。
もちろん、過去を振り返るだけでなく「翻訳通訳のいま」を考えるセッションもいろいろあります。
- 21世紀で求められる通訳のプロとは
:キュールコミュニケーションズLTD、翻訳者・通訳者 セス・リームスさん - やさしい日本語・やさしい英語 ~皆が暮らしやすい社会に~
:プレミアム医学英語教育事務所代表 西村多寿子さん - ともに考える、理想的なCATツール
:Memsource a.s.アジア太平洋地域営業部長 佐藤弦さん
:memoQ Translation Technologies日本担当営業 三浦陽さん
:SDLジャパン株式会社シニアセールスエグゼクティブ 山田勝志さん - この3人だから話せる!第2弾 激変する翻訳環境に振り回されないために
知っておくべきこと
:株式会社スリーイヤーズ代表取締役社長 酒井秀介さん
:フリーランス日英翻訳者 松本佳月さん
:英日・日英実務翻訳者 齊藤貴昭さん - 機械翻訳VS人間翻訳ガチンコ勝負
:Word Connection sarl (France)代表 マイアットかおりさん
:特許・技術翻訳者/翻訳講座講師 松田浩一さん - リモートワーク時代の遠隔通訳の実像―アンケート結果から読み解く―
:株式会社アイ・エス・エス代表取締役 花田仁さん
:株式会社アイ・エス・エス営業統括部 通訳グループ部長 吉岡毅広さん
:株式会社アイ・エス・エス営業統括部 通訳グループ マネージャ 牛来純一さん - 正規表現―翻訳者にも翻訳会社にも知ってほしい武器―
:個人翻訳者、JTF副会長 高橋聡
「ともに考える、理想的なCATツール」では、現在の日本で「三大CATツール」といっていい三社から、おなじみの三人が登場。それだけでなく、翻訳者も同席して、CATツールに関するいろいろな疑問をぶつけながら、理想的なCATツールとは何かを模索します(私も登壇予定です)。あと、私は正規表現の話もします。
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以上のようなプログラムのほか、まだ公開されていないのですが、実はもうひとつ、おもしろい企画があります。2017年の翻訳祭で「ミニ講演会」というプログラムがあったのをご記憶の方もいらっしゃると思います。60分とか90分とかのまとまったプログラムではなく、翻訳者や翻訳会社の方が10分ずつ入れ代わり立ち代わり、それぞれ自由にプレゼンテーションするという場でした。あの場をきっかけに、その後、翻訳通訳業界でいろいろ発信するようになったという方が何人もいらしゃいます。
同じことを、今年もオンラインでをやります。
応募期間は、昨日18日までで、すでにおもしろそうなプレゼンテーションのご応募はたくさん来ているのですが、もっといろいろな方に集まっていただきたいので、応募期間を
8月31日(水)まで
延長しました。
翻訳通訳について、何かひとこと語りたい、という方はぜひご応募ください! 応募フォームはこちらです。
ということで、今年もJTF翻訳祭、ご期待ください!