しばらく前に、LogoVista辞典ブラウザー(閲覧ソフトのこと)がリニューアルしました。
※画像をクリックすると新しいインターフェースの解説ページに飛びます。
ただし、このインターフェースはまだまだ開発途上で(詳しくは後述)、そのことはLogoVistaさんも分かっているらしく、今しばらくは旧インターフェースと新インターフェースが共存するようです。
従来のインターフェースでLogoVista(以下「LV」)辞書を使ってきた場合、アップデートデータをインストールすると
・旧インターフェースのデータが更新される
・新インターフェースにも追加される
ことが分かりました。従来からのユーザーの方、安心してデータ更新していいようです。
以下、もう少し詳しく説明します。
●新インターフェースについて
新インターフェースがリリースされたのは、2021年12月、以下のタイトルのリリースと同時でした。
・コンパスローズ英和辞典
・オックスフォード実例現代英語用法辞典 第4版
したがって、2021年12月以降に新しく発売された辞書タイトルは、新インターフェースにしか対応しません。今のところ、上記2タイトルのほかは
・新全訳古語辞典
・三省堂「新明解国語辞典 第八版」
がこれに該当します。
従来のインターフェースはこんなアイコンでしたが、
新しいインターフェースのアイコンはこうなります。
実際の画面はこんな感じで、
※画像はクリックで拡大します。以下も同様。
よくも悪くも、だいぶあっさりしました。実際の使い勝手は、旧インターフェースより高速になった以外、まだ
ぜんっぜんダメダメ
です。
この画面でも分かりますが、「前方」一致検索でshouldを検索しているにもかかわらず、cold shoulderという項目までヒットしています*1。
検索履歴の機能もありませんし、辞書間の移動も左カラムから選択するしかないので、だいぶまどろっこしい。その左カラムで辞書ごとの項目を展開する操作もよく分かりません。機能設定の項目も貧弱です。旧インターフェースについても不満はいろいろありましたが、それと比べて良くなった、とはとても言えません。
今後に期待、ということで頑張ってもらいたいと思います。
●旧インターフェースから使っている場合
以前の記事でも書いたように、LogoVista辞書は、ブラウザー本体も辞書データも、わりと頻繁にアップデートされています。
旧インタフェースの場合は[ヘルプ]→[最新アップデートの確認]、新インタフェースの場合は右上にある[…]の[アップデートの確認]を開くと、アップデートがあるかどうか分かります。
また、LogoVistaさんの製品ページを見ると、2021年12月以前からあった製品が、新インターフェースに対応したかどうかが分かります。
このように「新! 辞典閲覧用専用アプリに対応!」と書いてあるタイトルは、新インターフェースにも対応しています。「閲覧用専用」って日本語が変ですけど。
実は、この新インターフェース移行に伴って、「アップデートしたら旧インターフェースでは使えなくなっちゃうのか?」という点がたいへん不安でした。が、冒頭でも書いたように、その心配はないことが分かりました。
たとえば、私の環境で『研究社新和英大』と『リーダーズ第3版』をアップデートしてみら、こうなりました。
新インターフェースに、『新和英大』と『リーダーズ』が追加されています。
だし、このインターフェースで『新和英大』を逆引きする(和英だが英和として使う)のはかなり不自由ですし、国語辞典として使う気にもなれませんね……。
また、アップデート情報を確認してみると、
このように、旧インターフェースのほうも最新データにアップデートされたことが分かります。
新インターフェースが使い物にならない以上、そちらに辞書が追加されていくのはコンピューターリソースのむだ遣いという気もしますが、少なくとも旧インターフェースのほうに悪影響が出ないのは救いです。
ちなみに、この記事を書いている時点で、新インターフェースへの対応が済んだ旧タイトルは以下のとおりです。
・大辞林 第四版
・研究社新英和大辞典第6版
・研究社新和英大辞典第5版
・研究社 新編英和活用大辞典
・研究社 リーダーズ英和辞典 第3版、リーダーズプラス
・大修館 ジーニアス英和大辞典
・研究社 新英和(第7版)・和英(第5版)中辞典-音声付き
・大修館 ジーニアス英和(第5版)・和英(第3版)辞典
・プチ・ロワイヤル仏和(第5版)・和仏(第3版)辞典
・研究社 露和・和露辞典
・大辞林 第四版
・角川 新字源 改訂新版
・日本語シソーラス 類語検索辞典 第2版
・広辞苑 第七版
・大修館 新漢語林 第二版
どうでもいいんだけど、商品案内ページにある辞書タイトル、出版社名が入ってるのと入ってないのがあるのは、なんでなんだろ^^
●インストールし直しの場合
さて、従来からのユーザーにとってもうひとつ気になるのは、コンピューターの買い換えなどに伴ってLogoVista辞書環境を作り直すときです。
かつてのEPWING環境なら、ソフトウェア(汎用辞書ブラウザー)をインストールして、辞書データをまるっとコピーするだけで済みましたが(設定ファイルなどでパスを書き換える必要はある)、LogoVistaの場合は、
すべて最初から再インストールし直す
必要があります。これがなかなか面倒くさい。
このとき、インターフェースは新旧どちらになるのか、というのが気になるところ。これも試してみました。
結論から言うと、2021年12月以前のタイトルを購入したことがあるユーザーなら、それをインストールすると、旧インターフェースがインストールされるようです。一方、新インターフェースは、2021年12月以降に出たタイトルをインストールしたときにインストールされ、旧タイトルのアップデーターを適用すると追加されます。
ただし、申し訳ありませんが、2021年12月以降に初めてLogoVista製品を購入した場合にどうなるかは、私の手元では検証できません(その場合でも、新インターフェースに対応していない製品を買えば、旧インターフェースもインストールされるはずです)。
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ところで、フェロー・アカデミーが3回セットで年に数回お届けしている「オンライン辞書セミナー」ですが、現在こちらの内容も新しくしています。遠からずフェローさんのサイトに情報が載るはずです。
・基本編
・英英辞書編
・辞書から訳語の選択まで
という構成はこれまでどおりですが、どの回を単独で聞いてもいいように構成し直し、またどの回を聞いてもいいように共通の資料を増量する予定です。
こちらにあるとおり、8月の配信分から新しくなります。
*1:電子データのインデックスが元々そういう作りになっているのか? とも思いましたが、少なくともDONGRIのインターフェースで見る限り、そんなことはないようです