# DONGRIのインターフェースが新しく

EAST EDUCATIONが運営しているオンライン辞書サービスサイト「DONGRI」。旧ブログで一度紹介したっきりでした。

baldhatter.txt-nifty.com

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詳しくは上にリンクした旧記事をご覧いただきたいのですが、かいつまんで言うと、以下のような特長があります。

  • 辞書ごとの年間サブスクリプションサービス(1タイトルあたり1,000円前後~2,000円以上)
  • 基本は中高生対象だが、一般でも利用可(学生のほうが断然安い^^)
  • Windows/Macでも、iOS、Androidでも使えるマルチプラットフォーム(1タイトルは1回の購入で共通して利用できる)
  • 他のプラットフォームにない辞書がある

残念ながら操作性がイマイチだったのですが、このたびインターフェースが刷新され、だいぶ使いやすくなりました。

 

●串刺し検索が実現

最大の変化は、ようやく「串刺し検索」に対応したことでしょう。

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以前は、辞書を切り換えるたびに検索語を入力し直す必要がありました。つまり、「1回検索するだけで複数の辞書を渡り歩ける」という串刺し検索になっていなかったのです。

新しいインターフェースでは、左上にある辞書アイコンをクリックすれば

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辞書間を移動できます(しかも、辞書の並べ替えも簡単になっています)。

また、検索するといったん候補一覧がタイル表示される(旧ブログのスクリーンショット参照)というのも使いにくい一因でした。新しいインターフェースでは、上の図のように候補は左端にリスト表示され、そのまま候補間を移動できます。

その分、本文表示エリアが小さくなりましたが、

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左端の拡大ボタンを押せば本文が拡張されます。なお、ここにある上下ボタンでも候補間を移動できます。

これでようやく、翻訳者にもおすすめできる辞書プラットフォーム、になったと言えそうです。

 

●メモ欄を追加

地味かもしれませんが、中高生には特に便利かも。

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画面右端に並んでいるこのツールバーの右端のアイコンです。1,000文字まで記入できるらしい。

 

●読み上げ機能

まあ、これも翻訳者が使う機能ではないかもしれませんが、音声のバリエーションがおもしろいので、取り上げます。

本文の英語部分を選択すると、こういうダイアログが出て、英文を読み上げてくれます。

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といってもネイティブの録音ではなく合成音声なのですが、そのオプションに注目です。

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アメリカ英語の女声2種類、男声1種類。イギリス英語の男声1種類。

ここまではよくあるパターンですが、そのほかにアメリカ英語の少年声、少女声、そして女声のインド英語まであるw これはちょっとおもしろい試みです。

ちなみに、上のダイアログに「さらに検索」という機能もあります。これ、本文から英語以外の部分を範囲選択しても表示されます。選択した語を他の辞書で引く機能です。つまり、よくある「辞書を引いたら、説明の中に分からない語句があった」というとき、すぐ引けるわけですね。これは、翻訳者にとっても、地味に便利な可能かも。


最後に、DONGRIのラインアップのうち、翻訳者におすすめのタイトルを挙げておきます。

  • ジーニアス英和辞典 第5版・和英辞典 第3版
  • ウィズダム英和辞典 第4版
  • オーレックス英和辞典 第2版
  • コンパスローズ英和辞典
  • 明鏡国語辞典 第三版
  • 新明解国語辞典 第八版
  • 大辞林 第四版
  • 現代国語例解辞典 第五版

『ジーニアス 第5版』は年間2,570円とけっして安くありません。こちらは、LogoVista版とかアプリ(物書堂など)でそろえるほうがよさそう。

『ウィズダム 第4版』は、書籍を買えば無料で三省堂デュアルディクショナリーを使えます。ただ、そちらは成句の検索にちょっとコツがいるので、インターフェースが良くなった分、DONGRIでもいいかもしれません。

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ただし、こちらも年間1,160円なので、3年くらい使うと書籍版に追いついてしまいます。

『オーレックス 第2版』は、物書堂のアプリ以外では唯一です。オンラインで使いたければ、買いかもしれません。

『コンパスローズ』は、研究者オンラインディクショナリー(KOD)に入りましたが、それを除けば、オンラインで使えるのはこれだけです。

私がおすすめしたいのは、むしろ国語辞典です。

『大辞林 第四版』は、年間2,140円とわりとお高いので、LogoVista(9,900円)のほうが最終的にはお得かも。

『明鏡国語辞典 第三版』は、物書堂アプリ以外で唯一です。これをオンラインで使えるのはたいへんありがたい。

『新明解国語辞典 第八版』も、物書堂アプリ以外はこれだけ。貴重です。

そして、最大のおすすめはこれ。『現代国語例解辞典 第五版』です。書籍版以外はここだけ。しかも年間980円ですから、なかなかお得。

というわけで、どうしても他のプラットフォームにない辞書については、DONGRIも有力な候補になってきました。

ちなみに私は、去年1年いろいろ試しましたが、現在は

  • コンパスローズ
  • ウィズダム
  • 現代国語例解
  • 明鏡

の4つをサブスクしています。