# JTF翻訳祭2021、締め切り間近

いよいよ、申し込み締め切りの9/30(木)が迫ってきました。

www.jtf.jp

前回の記事で未定部分があったプログラムとタイムスケジュールも、すべて確定しました。

今年も、個人翻訳者向け、翻訳会社向け、業界一般向けなど各種のセッションをそろえましたが、ここでは、個人翻訳者に特におすすめのセッションを取り上げて紹介してみます。

以下、順序はJTF翻訳祭サイトの掲載順です。紹介文中では一部敬称略。

●新しい翻訳英文法:訳し上げから順送りの訳へ
(水野的)

水野先生は、だいぶ以前の翻訳祭で基調講演にご登壇くださいました。通訳・翻訳の現場経験もある研究者として、「訳し上げ」か「順送り」かというおなじみのテーマについて語ってくださいます。

以前の基調講演は、講演資料の中に高橋留美子の漫画の1コマがあったのも印象的でした。ちなみに、ファーストネームは「あきら」さんです^^;

 

●この3人だから話せる! 「ビジネス」としての翻訳業
~「好き」で始めた翻訳を長く続けるための現実的なお話~
(齊藤貴昭、松本佳月、酒井秀介)

タイトルなげえよw 今やおなじみとなったトリオの登壇です。翻訳者としてこの業界で地盤を固め、長く続けていくための秘訣が聞けるはず。現役翻訳者はもちろん、翻訳者をめざしている方にも参考になる話になるでしょう。

なお、この三人の話、こちらを聞いておくと予備知識になるかもしれません。登壇者のひとりである松本佳月さんのYouTubeチャンネルです。


www.youtube.com

 

●日本語を見つめる、分析する ——理論言語学の視点と方法——
(川添愛)

今回の翻訳祭、イチオシのセッションです。なぜなら、私が発案したからw
というのは半分冗談ですが、川添愛さんについては、すでにこのブログでも取り上げており、翻訳者が言葉を考えるうえで大切なお話が聞けることは間違いありません。

baldhatter.hatenablog.com

baldhatter.hatenablog.com

今から楽しみでしかたありません。

 

●活躍する翻訳者たちの姿から見える韓日翻訳者への道
(金承福、佐々木静代)

英語以外の言語を扱うセッションはなかなか開催できないので、こちらはかなり貴重なセッションです。韓国語に限らず、英語以外の言語を扱っている方にはヒントになるのではないでしょうか。

また、言語の話とは別に、JTFとしては稀少な出版翻訳ビジネスという視点にも注目です。

 

●日本伝統文化を英語で表現するなら
(中道キャサリン)

日本の文化と通訳翻訳は、言うまでもなく切っても切り離せません。2018年に出たこの事典の執筆者のひとりであるキャサリンさんから、その関係について聞くチャンスです。

これも個人的に楽しみな話のひとつ。

 

●機械翻訳サービスの提供及び利用に際しての法的留意点
(柿沼太一)

機械翻訳は、毎回必ずテーマとして取り上げられますが、法的な観点からのセッションというのはかなり貴重。翻訳者として、自分がこれから機械翻訳を使うか使わないかにかかわらず必要な知識になりそうです。

 

●これからキャリア転換をして通訳者になる人に
(白倉淳一)

声を聞くだけでうっとりしてしまう名通訳者、白倉さんが翻訳祭に! 翻訳だけではなく、通訳の世界をめざす人に向けたお話をお願いしました。が、そういう意図がないとしても、通訳業界の話には。翻訳者にとっても参考になるポイントが少なくありません。聞き惚れすぎに注意です!

 

●動画時代の翻訳―産業字幕翻訳は怖くない!
(菊地大悟)

昨年くらいから私もあちこちで言ったり書いたりしてますが、いわゆる字幕翻訳、つまり映画やドラマ、ドキュメンタリーではなく、産業翻訳の世界でも字幕案件が急増しています。しかし残念ながら、発注する企業、請け負う翻訳会社、そして翻訳者、この三者いずれも、まだ字幕翻訳のノウハウを確立しきれていません。こん業界に向けて、産業字幕翻訳の基本を紹介していただきます。

 

●ゲームローカライゼーション
(広浜佳野、片岡ケネス優司)

お待たせしました、市場がどんどん拡大しているゲーム翻訳のセッションです。この分野に関心のある方、参入してみたい方は必聴です。

ガンホーといえば、パズドラですね^^;

 

●海外の翻訳会社の選び方・つきあい方
(原真理恵、マイアットかおり、松田浩一)

理由はいろいろですが、最近の産業翻訳業界、海外の翻訳会社と取引するケースはずっと増えてきました。そのとき、どんなことに注意すればいいのか、MLVの方、翻訳会社の方、そして個人翻訳者の三人がそれぞれの視点から語ります。

特許翻訳者・松田浩一さんのご登壇は、2018年の京都開催以来です。

 

●機械翻訳とは何か? どこから来て、どこへいくのか?
(中澤敏明、高橋聡)

私も久しぶりに登壇します^^; 基本的には、4月に開催した同名セミナーの再演です。4月にお聞きにならなかった方はぜひ。また、あれから約半年がたちましたので、少しずつ新しい内容も盛り込んでお届けします。

 

●時代考証と言葉 より正確に!よりドラマチックに!
(大森洋平)

こちらも、かなり異色なセッションです。時代考証という特殊な世界ですが、言葉に対するアプローチという点で考えると、とても気になるテーマです。

 

そのほか、以下は個人翻訳者にも、また翻訳会社にもいろいろとヒントになるお話(紹介文なしでゴメンなさい!)。

●Introduction to U.S. Patent Editing for Translators
(Copely Brad)

●これからの翻訳業界での働き方を考えよう 第2弾
(古河師武、成田崇宏)

●医薬品が発売されるまで(特にCMCについて)
(小池晴夫)

●Z世代にとっての翻訳業界とは?後継者たちはこう見て、聞き、考えている
(西墻慎一、川島翔太、岸田まなみ、福嶋美乃里、前田類)

 

お申込期限は9/30(木)の23:55。

もちろん、どのセッションも録画されますから、11/24(水)まで約1か月以上いつでも視聴が可能です。