# YouTubeでしゃべってます - Kazuki Channelさん

同業者の松本佳月さんが開いている YouTube の「Kazuki Channel」。

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「翻訳者になるまで」というテーマで、これまでも何人かの同業者が登場なさいましたが、今回はとうとう私の番になりました。


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ここから始まって、全5本、90分ほど続きます^^ 以下はリンクだけ貼っておきます。

【私の翻訳者デビュー】IT・マーケティング翻訳者・高橋聡さん(帽子屋さん)(その2)~納得の職業選択、そして塾講師と翻訳の2足の草鞋時代へ~ - YouTube

【私の翻訳者デビュー】IT・マーケティング翻訳者・高橋聡さん(帽子屋さん)(その3)~塾講師から翻訳会社社員、フリーランスに。そして外の世界に目を向け始める。~ - YouTube

【私の翻訳者デビュー】IT・マーケティング翻訳者・高橋聡さん(帽子屋さん)(その4)~辞書セミナーを始めたきっかけ、そしてマニアックな世界へ(笑)~ - YouTube

【私の翻訳者デビュー】IT・マーケティング翻訳者・高橋聡さん(帽子屋さん)(最終回)~「帽子屋」という屋号の由来。帽子屋さんから翻訳者を目指す方へのメッセージ~ - YouTube

「ヒマだからなっ!」*1という方、あるいは帽子屋の作り方が気になる方は、ぜひご視聴ください。

 

それにしても、自分の人生のうち50年分くらい*2の経緯をこれだけまとまって振り返ったのって、たぶん初めてです。自分でもおもしろかった。

松本さん、貴重な機会をくださって、ありがとうございました!

 

なんか、いつもながら、なんかエラそうにしゃべってますけどね^^; 終わってみて、本人がいちばん強く思ってるのは

これだけのことを経験してきたはずなのに、今の自分はこんなものか

という思いだったりします。改めて、そういう自省の機会にもなりました。

 

ちなみに、松本さんの Kazuki Channel には、これまでも「翻訳者デビュー」シリーズとして

鈴木理恵さん

遠田和子さん

がご登場になっているほか、松本さん、テリー斉藤さん、酒井秀介さんの鼎談などもあり、翻訳者という職業に関心のある方、翻訳業界のことを知りたい方には、格好のコンテンツが並んでいます。今後もさらに増えていくそうなので、ぜひチャンネル登録を。

 

*1:上野顕太郎の漫画に出てくる定番のセリフ

*2:先月60になったばかりです

# 翻訳フォーラム『述語から読む・訳す』ワークショップ開催!

5/16の翻訳フォーラム・シンポジウム2021をご視聴くださった方、あるいはその様子をTwitterでご覧になっていた方は、「日本語構文マラソン」のコーナーをはじめ、あちこちで、
「述語から読む」
とか
「衛星図」
というキーワードが印象に残ったことと思います。

そのキーワードの謎が解けるワークショップ形式セミナーの開催が決まり、本日から受付も始まりました。

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「『述語から読む・訳す』ワークショップ(Under 3)」(翻訳フォーラム・おうちでレッスンシリーズ#3)

7月24日(土)13:00~17:00

「Under 3」というのは翻訳経験3年未満という意味で、今回は対象者を
翻訳学習者~プロ経験3年未満(2年11ヶ月まで)
に限っています。

経験3年以上の方に向けた回も開催予定です。遠からず案内が出ますので、しばらくお待ちください。

案内サイトから一部引用します。

《翻訳というのは不自然な作業で、ほっておけばことばのスキルが落ちる》(1)述語を見つけられれば、その過程で述語を中心とする文の構造が見えてくるし、(2)そうすると訳出の自由さが格段にアップする

これがいったいどういうことなのか、気になる方は、ぜひご受講ください。

これに気づくのは、早ければ早いほどいいはずです。

# シンポジウム2021で紹介した資料について

お伝えしていた「翻訳フォーラム・シンポジウム2021」、ひとまず無事に終了しました!

passmarket.yahoo.co.jp

リアル会場で実施していた一昨年までのほぼ2倍の方にお集まりいただきました。Twitterなどの反応を見ている限りではおおむね好評だったようで、安堵しています。丸一日ご視聴くださった皆さんもお疲れさまでした~!

シンポジウムの中でもご案内したとおり、各セッションで紹介された資料は、こちらのイベントブログにまとめてあります。

fhonyaku.blog.jp

……が、私が紹介した分はけっこうあるので、こちらでまとめて紹介しておくことにしました。以下、ご覧ください。

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# 『てにをは連想表現辞典』~今ごろですが

2015年に出た(まだ)新しい辞書なのですが、今まで自分では持っておらず、したがって紹介もしたことがありませんでした。このたびようやく購入し、自分のこれまでの不明を恥じております。

言うまでもなく、日本語のコロケーション辞典として定評のある『てにをは辞典』(2010年)の姉妹書です。

てにをは辞典

てにをは辞典

  • 発売日: 2010/08/24
  • メディア: 単行本
 

『てにをは連想表現辞典』が出たとき、『てにをは辞典』の評価はすでに確立していたので、「~連想表現」が出たときも当然ながら話題にはなりました。私も当時から書店で手に取る機会はあったのですが、お恥ずかしいことに、そのくらいでは「連想表現」がいったいどんな辞書なのか理解が及ばず、何となく手が出ていなかったのです。

ただ、みっともない言い訳をさせていただくと、これってタイトルで損しているのでは、とも思います。

『てにをは連想表現辞典』というからには『てにをは辞典』の関連辞書だろう、と誰でも想像します。そして、「てにをは」がコロケーション辞典だったのだから、じゃ「てにをは連想表現」というのは、コロケーション辞典に何か連想とか表現とかの要素が加わったもの? と思うじゃないですか。でも、だったらその「連想」とか「表現」の要素ってどんなことなのか、そこがどうもはっきりしなかった。

その類推が大きな間違いでした。『てにをは連想表現辞典』は、分類するなら
類語辞典
です。

「連想」というのは類語グループの広がりのこと。そこに「てにをは」つまりコロケーションの要素を加えた用例が並べてあり、そこから「表現をさがす」ために作られた辞書だということが、こうしてちゃんと手元に置いてみて初めて分かったのでした。

てにをは連想表現辞典

てにをは連想表現辞典

  • 発売日: 2015/08/27
  • メディア: 単行本
 

つまり、類語辞典でありながら、おそらく類書のない unique な存在。そこをもっとアピールして売ってもいいんじゃないでしょうか^^;

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# タイトル/title という語について

書籍とかゲームとかCD/DVDについて、その "題名" の意味ではなく、商品というか "モノ" を指す意味で「タイトル」って言うことありますよね?

今月発売の注目タイトル!
PlayStation 4のゲームタイトル一覧
2018年6月末時点で50タイトルを突破

みたいな使い方です。

これって、いつ頃から使われるようになって、今の日本語ではどのくらいの通用度があるのかな、とふと思ったので調べてみました。

結論から言うと、

・英語ではわりと古くからある使い方。ただし語義は広がっている
・この意味を載せている国語辞典は多くない

ということが分かってきました。

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# 翻訳フォーラム・シンポジウム2021に申し込んだ方へ

5月16日(日)開催予定の
翻訳フォーラム・シンポジウム2021
は、おかげさまで申し込み者が200名を超え、リアル開催のときよりずっと多くの方がご参加くださる予定です。

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すでにご案内しているとおり、シンポジウム2021関連の諸連絡はすべてFacebookグループを通じて行います。

参加申し込みのあった方には、Facebookグループへのご招待をメールでお送りしています。メールの宛先は、お申し込みの際に記入してくだったアドレスです。

なお、Facebookグループは申請式になっています。参加申請するときは、必ず
本人確認の設問
にお答えください。答えがないと、申し込み者の本人確認がとれないため、グループに入れません。

また、グループへの招待メールをまだご覧になっていない方は、いま一度メールボックスをご確認ください。場合によっては、スパムフィルターで弾かれている可能性もあります。

当日まで何も知らないまま、Zoomに入れなかった~、などということがないよう、ご協力をお願いいたします m(__)m

 

# 『ふだん使いの言語学』 ~日本語への分析的なアプローチの練習に

『働きたくないイタチと言葉がわかるロボット』で、翻訳者の間でも広く知られるようになった川添愛氏の最新刊、

ふだん使いの言語学: 「ことばの基礎力」を鍛えるヒント (新潮選書)

ふだん使いの言語学: 「ことばの基礎力」を鍛えるヒント (新潮選書)

  • 作者:川添 愛
  • 発売日: 2021/01/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

を読みました。

帯の売り文句でも分かるとおり、日常会話とかSNSへの投稿とか、そういう「ふだん使い」の言葉に気をつけたいという一般の読者を想定した良書ですが、翻訳者、特に英日翻訳をしている人にもおすすめです。

特に、日頃から
何となく感覚だけで日本語を使っている人
には、ちょうどいい日本語ドリルになりそうです。

もちろん、膨大な読書量に支えられた豊富な語彙力と優れた日本語運用能力があって、感覚だけでも素晴らしい日本語が書けるという才人には必要ないのかもしれません。でも、そうでなければ、本書は一読の価値があるはずです。

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