# 明日のJITF2020は帽子屋の辞書話

 先日お伝えしたように、「日本通訳翻訳フォーラム2020」の8月24日(月)のプログラムとして、翻訳フォーラムのセッションが一般公開されました(録画視聴は申し込み者のみ)。

常時500人ほど、ピーク時には600人近い方がご視聴くださったようで、リアルタイムで流れていたTwitterの反響もなかなかだったようです。

たいへん盛り上がっているこのイベントも残り1週間を切りました。

そして、明日8月27日(木)19時からは、私の辞書話があります。

www.japan-interpreters.org

辞書の話は、もうあちこちで話したり書いたりしていますが、翻訳者・通訳者が使う辞書の環境は年々変化しています。今回も、2020年時点での最新情報をお伝えする予定です。

  • 翻訳者が使う辞書環境の基本
  • なんでそんなに辞書が必要なのか
  • 帽子屋おすすめの辞書2020年版

こんな感じを予定しています。ただし、「辞書や辞書ソフトの使い方」の基本あたりは短めにして、具体的にどの辞書がどんな点でいいのか、を語る2時間にしようかなぁと考えています。

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# JITF2020、翻訳フォーラムのセッションが一般公開に!

remote-jitf2020.peatix.com

こちらのイベントが予定どおり8/1から始まっており、各セッションとも随所で話題になっています。

旧ブログでご案内していたとおり、私はこのあと2つのセッションに登壇します。

8/24(月)19:00~21:00 www.japan-interpreters.org

8/27(木)19:00~21:00 www.japan-interpreters.org

 

このうち、翻訳フォーラム「翻訳者のなり方・続け方」では、

  • これから翻訳者になろうと考えている人
  • 翻訳業は始めたけど仕事の広げ方で悩んでいる人
  • 翻訳経験はそれなりにあるがこれからの進み方に迷っている人

などを主に対象とした話をします。

フォーラムの4人がそろって話すのは久しぶりですので、乞うご期待!

このイベントはもちろん有料で、すでにチケットの販売も終了していますが、セッションの性質を考えて、主催者と協議のうえ、特別に

無料一般公開

されることが決まりました!

後日公開されるアーカイブ(録画)の視聴はできず、リアルタイムでの視聴のみとはなりますが、以下のZoom URLから、どなたでも事前申し込み不要でご覧になれます。

us02web.zoom.us

 

昨今の時節柄なのか、翻訳者になりたいと志望する方は以前にもまして増えているようです。

そういう方たちのなかには、主として知識不足・情報不足から、好ましくない方向に進んでしまい、たとえばかなりの高額を費やしてしまうケースも少なくないと聞いています。

そんな方たちも含め、不透明感の濃くなりつつある翻訳業界について少しでもお悩みの方は、ぜひご視聴ください!

# Bigwigといえば……

昨日ご紹介した『英語辞書をフル活用する7つの鉄則』の5.2節「語彙学習にも「アハ体験」を利用」に、

big wheel (1) (米略式)=bigwig.

というジーニアス英和大からの引用があります。

Bigwigという単語で私がまっ先に連想したのは、この作品です。

www.amazon.co.jp

どうも日本ではあまり知られていない気もするのですが、高校生のとき、ちょうど『指輪物語』と同じころに読んだせいもあって、とても心に残った作品です。

そもそも、作品の存在自体を知った経緯から含めて記憶に残っています。

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# 辞書引きとEvernote

この本を読んでいたら……

www.amazon.co.jp

5.2 語彙学習にも「アハ体験」を利用

という節がありました。あまり好きになれない言い方ではありますが、さらに私が好きでない表現を使って、こう続きます。

●気づきにおける「エイス・モデル」
(1)A(Aha experience):英語を学習する上での「あ、そうか」体験をとらえる。
(2)C(Consult your dictonary):それを辞書で確認して理解を深める。
(3)E(Expand):関連知識も確認して、知識を広げる。
―『英語辞書をフル活用する7つの鉄則』p.163より

これ、自分がいつもやってるEvernoteまとめと同じことか、と思い当たりました。

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# application は辞書でどうなっているか

application という単語について、あらためて調べてみました。

翻訳答案で誤答の多い「適用、応用(例)、(応用)分野」のほうではなく、今では当たり前になったIT系用語「アプリケーション」のほうです。

発端はこれ。

プログレッシブ中学英和辞典より

出典は『プログレッシブ中学英和辞典』。発行は2014年です。

小学館さんのこれ

l-world.shogakukan.co.jp

に応募してミニ辞書をもらおうと、付箋を貼りながらせっせと単語を拾っていたとき目につきました。

英和辞典に、時代錯誤あるいは見当違いと思える訳語が少なくないというのは、別に新しい話ではありません。2019年10月のJACET英語辞書研究会「英和辞典を日本語から考える」でも、見坊さんたちから楽しいお話がありました。一例だけあげると、

dystopiaユートピアに対して)ディストピア, 地獄郷

などが傑作でした。これと同じで、IT業界的に言うと、いかに中学生向けとは言え今どき「事務処理用ソフトウェア」はないんじゃないかなぁ、と。「業務用」ですらない。

じゃあ、ほかの辞書はどうなってるのかなと思ったわけです。

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